虹色パウダー
「今日は、これから視力検査をします。廊下に名前の順番に並んでください」
このクラスだけ、教室の席順が名前の順ではなかった。
昨日、トボ助の提案により、くじ引きで席替えが行われたようだ。
その席替えのおかげで、桜子は雪乃ちゃんとサッキーという友達ができた。
さっきの、肩タッチは許してあげることにした。
でも、次はないぞ、トボ助!!
僕は、桜子の肩に乗り、廊下を歩く。
そして、耳元で歌う。
♪トボすけ~ ルルルン トボすけ~ あいつのなまえはトボすけさ~♪
「ねぇねぇ、担任の名前って何だっけ?」
桜子は前を歩く女の子に話しかけた。
「戸田洋助じゃなかったかな?」
偶然だけど・・・・・・
トダヨウスケ=トボ助
ちょっとイケてるじゃん。
「トボ助・・・・・・」
桜子が呟くように言った。
静まり返った廊下に、桜子の声が響いた。