虹色パウダー
「サッキー、書いてきた?」
桜子は、小声で咲子に耳打ちした。
化学の授業中にも関わらず、咲子は桜子に手紙を書いていた。
ん?
手紙じゃないようだ。
咲子が桜子に渡したのはノート。
そのノートの表紙には……
『交換日記』
どうやら、雪乃ちゃんとサッキーと桜子の3人で交換日記をしているらしい。
これは情報収集のチャンス。
僕は化学の残り時間30分、ずっと交換日記を読んでいた。
僕は、感動しちゃった。
僕は、自分自身にパウダーをふりかけた。
僕は交換日記の中の桜子の記憶へと入り込むことに成功した。