虹色パウダー
もうすでに私はこの学園が大好きになっていた。
花が好きな両親だった。
私の名前は桜子。
弟の名前は漣太。
こんなにも花に囲まれた学園で過ごせるなんて……
幸せすぎる!!
離婚してくれて良かったのかも。
ってこれが、私の変なプラス思考。
くねくね道を進んでいくと、ピンク色のフェンスが見えた。
ガサガサと音が聞こえて、私はとっさに木の陰に隠れた。
うきうきしていたので時間を忘れていた。
夕暮れ時だったことに気付いたのは、夕日が目に入ってからだった。
夕焼け色に染まる校庭。
時々聞こえる、誰かが走るような音。
私は右手で夕日をさえぎりながら、校庭に浮かぶ影の主を探す。