虹色パウダー
「あれ?」
涼太は桜子の顔を見て、あの日を思い出したようだ。
「あ……… セブン君」
桜子ってかわいい。
いつも心の中で呼んでいたせいで、口から出てしまったようだ。
「何?」
不思議そうに涼太は聞き返す。
「あ、ごめんなさい」
顔を真っ赤にしてうつむく桜子。
涼太も桜子を覚えている。
ここで何か話さないと絶対後悔するよ、桜子。
「はい。これ」
桜子はさっきまでの元気はどこへやら、真っ赤な顔でうつむいたまま涼太の手のひらにボールを乗せた。
「あ、ありがとう」
涼太も、真っ赤な桜子を見て、顔を真っ赤にしていた。
これ、どう見てもいい感じなのに!!
このままさよならするのか?
僕は涼太の気持ちを桜子に向けることはできない。
ただきっかけを作ることしかできないんだ。
桜子が勇気を出すしかないんだよ。
頑張れ、桜子!!