虹色パウダー
ハッとしたように目を見開いた涼太は、しばらく黙った後に照れくさそうに笑った。
「あ、あぁ……そうだけど。どうしてそれを……」
涼太、首の後ろに手を持っていって、意味もなくもじもじしてる。
遠くからふたりを見守っているサッキーと雪乃ちゃんの興奮ももう最高潮。
「私、サッカー好きだから。放課後よく教室の窓から見てるんです」
桜子、僕は知ってるよ。
君は、サッカーなんて今まで興味なかったはずだ。
涼太に恋をしたから。
涼太がすごく好きだから。
だから、涼太の好きなサッカーを、桜子も好きになったんだ。