虹色パウダー
「サッカー好きなんだ。ちょっと嬉しいな」
涼太は子供のように無邪気な笑顔を桜子に向けた。
「大好きです!!」
サッカーが大好きなんじゃなく、涼太が大好き……なんだよね、桜子。
「それ、投げてみて」
涼太は、桜子から少し離れて右足で蹴るマネをした。
ポーンと投げたスーパーボールは、涼太の右足で蹴り返された。
「ヒャァ~」
そのスーパーボールは、桜子のおでこに直撃し、窓に当たり、涼太の元へ。
「ナイスヘディング!!」
その時、チャイムが鳴った。
ちょうどいいタイミングで。
涼太と桜子は並んで廊下を走る。
僕は願いを込めて、ふたりの上にメロンパンパウダーを振りかけながら、飛んでいた。
5組の前で、涼太は桜子に言った。
「じゃ~、またな!!」