虹色パウダー



5組の女子は、涼太を見るか淳平を見るか、キョロキョロと目を動かしながら迷っていた。



ピピピ




16人いる女子の10人が涼太、6人が淳平を見ていた。


これは全体的な人気のバロメーターにもなる。



涼太相手にここまでの票を集めるとは、淳平もなかなかのものだ。



この淳平が、桜子を狙っているわけだから、厄介だ。



桜子は淳平からいくら好きだと言われても、気持ちを変えることはないだろう。


僕にはわかる。



桜子は、絶対に涼太をあきらめない。




5組の教室を出た淳平は廊下を走って、どこかへ向かう。


5時間目と6時間目の間の休憩時間。



僕はお昼寝でもしようかと体育館裏へ向かった。


ここは僕のお気に入りの場所。



体育館裏にある丸テーブル。


お洒落な洋風なベンチに、大きなパラソル。




そのパラソルの下を覗いてみると……


そこには、僕のアイドル、桜子が座っていた。





< 75 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop