虹色パウダー
5組の女子は、涼太を見るか淳平を見るか、キョロキョロと目を動かしながら迷っていた。
ピピピ
16人いる女子の10人が涼太、6人が淳平を見ていた。
これは全体的な人気のバロメーターにもなる。
涼太相手にここまでの票を集めるとは、淳平もなかなかのものだ。
この淳平が、桜子を狙っているわけだから、厄介だ。
桜子は淳平からいくら好きだと言われても、気持ちを変えることはないだろう。
僕にはわかる。
桜子は、絶対に涼太をあきらめない。
5組の教室を出た淳平は廊下を走って、どこかへ向かう。
5時間目と6時間目の間の休憩時間。
僕はお昼寝でもしようかと体育館裏へ向かった。
ここは僕のお気に入りの場所。
体育館裏にある丸テーブル。
お洒落な洋風なベンチに、大きなパラソル。
そのパラソルの下を覗いてみると……
そこには、僕のアイドル、桜子が座っていた。