虹色パウダー
テーブルに肘をつき、ふーっとため息をつく。
どうしてここに桜子がいるんだ?
僕が疑問に思っていると、そこにある男の子が近づいてきた。
もしかして涼太?
そう思った瞬間に、声が聞こえた。
「ごめん、遅くなって」
その声は、涼太のものではないことは確か。
涼太の声はもっと大人っぽい。
僕はパラソルの上から首を伸ばし、その男の子の顔を見た。
高津淳平……
僕が恐れていた方向へ進んでいるようだ。
僕はパラソルの上に仰向けに寝そべり、動きの速い雲を見つめていた。