虹色パウダー
カラオケ
僕は、カラオケBOXに行くのが初めてだった。
薄暗い個室に、男女がくっついて座る。
僕は、桜子の隣に座った淳平に苛立ちを感じた。
僕は……涼太の為にも、ふたりの間に割り込んだ。
淳平と桜子の間に無理やり入った僕。
やったぞ、涼太。
君の未来の彼女を僕が守ったぞ!!
不思議な空間だ。
ライトの色が選べるらしい。
赤っぽいライトを選んだ淳平に、弘道がダメだしをした。
結局、オレンジっぽいライトを選んだ。
僕は、サッキーが好きだというアイドルグループの歌を覚えていた。
だって、サッキーったら休み時間になるといつも口ずさむんだもん。
それにつられて、桜子までもがよく歌っている。
その歌をサッキーは絶対歌うだろうと思っていたのに、
サッキーは淳平にその歌を歌ってくれと頼んだ。