虹色パウダー
「高津、これ歌ってくれない?」
サッキーは、向かい側に座る淳平に、リモコンのようなものを渡した。
「俺?歌えるかどうかわかんないよ!」
そう言いながらもまんざらでもない顔をした淳平は、慣れた手つきでその歌の番号を入力した。
「樋渡は、誰の歌が好き?」
マイクを持った淳平は、歌が始まるのを待ちながら、桜子に話しかけた。
桜子は、首をかしげながら言葉を詰まらせた。
桜子、思ったかな。
涼太に歌って欲しいって。
涼太に歌って欲しい歌なら何百曲もあるんだろうな。
桜子が答える前に、イントロが流れ、淳平は立ち上がった。
キャーというサッキーの声援に、淳平はノリノリだった。
このふたりお似合いだよね?
くっついちゃえって思うのは僕の勝手な願望?