虹色パウダー
桜子の勇気
桜子の気持ちが痛いくらいわかったんだ。
涼太が淳平に言った言葉は、淳平だけじゃなくそこにいたみんなに言った言葉のようだった。
それが桜子は悲しかった。
「私、もうここでいいから!!」
桜子は、淳平と弘道に向かって叫ぶ。
「家まで送るって!」
淳平は桜子の家が知りたいんだと思う。
でも、今日はだめだ。
「もうここからすぐだから」
桜子はそう言って、みんなに手を振った。
サッキーと雪乃ちゃんはわかっていた。
声を出さずにふたりは桜子に言った。
『がんばって』ってね。