男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
「お邪魔します」
「いらっしゃい」
到着した実家には既に義姉さんもいて……というのもリュウジの実家から義姉さんの実家までは来るまで数分。
ほとんどこうして実家にいるらしい。
「おじちゃんとおばちゃんが来たわよ」
義母さんの言葉に笑顔を向けた。
「おばちゃんはやめてくださいよ~葵ちゃんにして下さい」
「それいいかも。私もね~祖母ちゃんって呼ばせてるのよ」
初めて身内の子供を見た私は……頑張って作った笑顔とはうらはらに、やっぱりどうしていいのか分からなかった。
美咲はまだ人見知りで、誰が抱いても泣きじゃくることだけが救い。
ほとんど、触ったりはしなかった。