男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



たった1年と少し。


本当にあっと言う間のOL生活。


残ったのは……抜け殻になった私。


「せっかく時間あるんだから小説でも書いてたらいいじゃん」


リュウジが言う。


そう、私は先輩と食事をしなくなったあの頃から……一人でデスクの前にいる時間を有効活用しようとケータイ小説を書いていた。


失業保険を貰いながら、新しい職場を探す私。


だけど……怯えてた。


社会に出る事が怖くて仕方が無くなってしまっていた。


あんなに勉強出来たのに。


仕事だって覚えるの早いねって言われてたのに。


先輩の前では全く通用しなかった。


先輩が特別厳しいのか、それとも私が特別出来ない子なのか……昼間の仕事をあまり知らない自分にはやっぱりよく分からないんだ。



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