男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
2007年秋
仕事を辞めて1ヶ月。
毎日家事と小説を書き続ける。
そして空いた時間でネットを徘徊する。
あの……先輩のおかげで一つ心が決まった。
私達は、覚悟を決めて、本当に男性不妊の検査を受けようとしていた。
一緒に働いたおかげで多少のお金は貯まった。
すぐに治療は出来なくても、凍結の保管料ぐらいは払えるはず。
次のステップとかは考えない。
けれど……とりあえず検査は受けようって。
先に進むのでお金が必要ならその場でまた悩めばいい。
赤ちゃんが出来るのか、出来ないのか。
わからないままモヤモヤするのはもう嫌なんだ。
再び湧き出した想い。
この一年でいとこにも子供が産まれた。
本当はおばあちゃんにとて初孫の私が初孫を産みたかった……。
だけど、2コ下の彼女が産んでくれた事でプレッシャーからは開放された。
義姉さん、従兄弟、そして友達、私の周りの人間はみんな結婚して数ヶ月で妊娠していく。
これまでは結婚しているのが自分たちだけだったのに、どんどんと置いて行かれてしまう。
「もっとゆっくり新婚生活したかった」
皆が声を揃えて言う裏で、私はどうしようもない切なさを抱えていた。