男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~


妊娠出来るかもしれないって希望がある今が


ひょっとしたら一番幸せなのかもしれない。


診察結果が出てから2週間が過ぎて……。


気晴らしに、と出かけたカラオケで酔った私はとうとう壊れた。


前を向いて歩いてきたけれど、何故かひとりぼっちな気がしてた。


二人の想いの温度差。


やってくる結果への恐怖。


いろんなものが頭の中をぐるぐるぐるぐる占拠して、


どうしていいのか分からず何時間も泣きじゃくった。


そんな私を見てリュウジは


「どうしてもダメだったらAIDでもいいから」


そう言った。


AID=非配偶者間人工授精


夫以外の精子を貰うという事。


それも……結果がダメだったらやってくる選択。


怖い……。


怖いよ……。


子供は欲しい。


だけど……。


愛してない人の精子で妊娠させられてしまうのは違うけど……。


全力で否定も出来ない自分がいる。


完全にダメだという結果になったら、そんな話し合いもするんだろう。


考えるにはまだ早い。


いい結果だけを信じなきゃ!!


そう思うのに、最悪の事態が浮かんでは消え、また浮かんで……離れてくれない。



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