男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
ねぇ、リュウジ?
私は5月の手術でダメだったら手紙を書こうと思うの。
3年前
不妊が発覚した時には思わなかった。
目の前が真っ暗で何も考えられなかった。
だけど
今は違うから
愛を込めて手紙を書こうと思う。
子供のいない世帯だからこそ出来るちょっと贅沢なお店なんか行っちゃってさ。
リュウジと出会えた事は奇跡で
リュウジが小児がんを乗り越えた事もまた、奇跡で
結婚して何年も経てば冷えていく夫婦が多い中、私達は年々仲良しになってくよね。
そんなリュウジとこれからもトキを重ねたいって……心から思うよ。
最悪な結末へのココロの準備、全然出来ないって思ってた。
もちろん
実際降りかかったら涙ぐらいは流すと思う。
でも
それよりも
大切なもの見つけた。
リュウジが隣にいなきゃ生きていけないんだって、そんな単純な事忘れそうだった。
どんな結果が出たとしても、これは乗り越える事の出来る試練であり、
男性不妊なんて悩みを抱えなければ……こんな愛しい気持ちに気付く事もなかったのかもしれない。
だんだんと、本当に大切なものが見えてきた気がするんだ。