男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
第12章 運命の日
そして前日。
恐怖が弱い心を煽る。
こんなにリュウジを愛しいと思っているのに……。
一度だけ、脳裏をよぎってしまった離婚と言う言葉。
そんな事を考えてしまう自分が大嫌いで……泣きながらお母さんに電話した。
お母さんとの関係は、時間が少し埋めてくれていた。
「そんなに思いつめる程子供が欲しかったんだね」
うん……。
うん。
私も知らなかった。
こんなに、簡単に涙が出るくらい欲しかったなんて。
涙が枯れるくらい泣いてみたとしても
バカみたいに笑ってみたとしても
恐怖に怯えて眠れなかったとしても
……明日には結果が出てしまう。
時間は待ってくれはしない。