男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



3階受付に向かうと、時間が早いせいか少し待たされる。


院長先生の姿も目に入った。


いつもの白衣とは違い、すでに手術着のような服を着ている。その姿だけで緊張が高まる。


確実に、リュウジの手術の為の服。


隣のリュウジは……痛みに怯えつつも私よりもよっぽどしっかりしていて。


……だから目を閉じて、その手をぎゅっと握った。


黙って握り返してくれるその手をずっと離さないまま、9時が過ぎ……別室に呼ばれる。

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