男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
第16章 お迎え
2008年10月18日。
とうとうやって来た胚移植の日当日。
天気はほんのり曇り。私は縁起を担ぐ為に
大豆→女性ホルモン→母
鶏卵→卵ちゃん
に見立てた親子ごはんを食卓に並べた。
うん、なんの事は無い。
ただの卵かけごはんに納豆を投入しただけなのだけれど……。
「一緒になれますように」
混ざっていく卵と納豆を見つめながらそっと祈る。
それはもちろん体に良い食材な訳で……今日からは私の食べたもの一つ一つが卵ちゃんの栄養になる。
身を引き締めながら、憧れだった友達親子を目指すべくきちんとメイクをして家を出た。
隣には少し緊張した面持ちのリュウジも一緒。
二人で迎えに行くから待っててね。