男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
第16章 お迎え



2008年10月18日。


とうとうやって来た胚移植の日当日。


天気はほんのり曇り。私は縁起を担ぐ為に


大豆→女性ホルモン→母

鶏卵→卵ちゃん


に見立てた親子ごはんを食卓に並べた。


うん、なんの事は無い。


ただの卵かけごはんに納豆を投入しただけなのだけれど……。


「一緒になれますように」


混ざっていく卵と納豆を見つめながらそっと祈る。


それはもちろん体に良い食材な訳で……今日からは私の食べたもの一つ一つが卵ちゃんの栄養になる。


身を引き締めながら、憧れだった友達親子を目指すべくきちんとメイクをして家を出た。


隣には少し緊張した面持ちのリュウジも一緒。


二人で迎えに行くから待っててね。


< 242 / 314 >

この作品をシェア

pagetop