男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
周りにはお腹の大きい人ばかり。
混雑しているって事はきっと良い病院なんだろう。
ヒマだから本棚の適当な本を手に取る。
それは見事に育児雑誌ばかり。
今はまだ関係ないけどいつかね……そう願って、呼ばれるまでの1時間ぐらい、片っ端から読んでいった。
妊娠中に大変な事、産んでから大変な事、いろいろあるみたいだけど頑張らなきゃと決意を固める。
周りの幸せそうな妊婦さんには席を譲る。
前に子供を産めなくて、泣きそうになっていた私とは違うんだ。
家で買った不妊の本にはいろんな治療法が書いてあった。
私は出来にくい体でもいい。それは仕方がない。
でも……出来れば、痛くない治療がいいな。
なんて思っていると
「桜木さん~中へどうぞ」
看護師さんに呼ばれ、診察室の扉をくぐった。