男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
第4章 進めない道
家にある不妊本はもうほとんど役には立たない。
基礎体温だって測るのは止めていた。
唾液チェッカーは……オークションで売った。
私達にはもう、必要のないものだから。
「基準値が5000万以上で……俺はゼロか」
「…………」
一緒にネットを開いてみる。
次の検査は精巣生検。リュウジの反応が怖い。
体験談なんかを読んでみる。
実際に、検査の結果中には精子がいて妊娠した人は少なくない。
ただ、ここで大きな問題にぶつかった。
中にいればその子達を採取して人工授精とか。私は健康なんだし出来るんじゃないの?ってそう思っていた。
だけど、無精子症の場合は……顕微授精しか手が無いんだと書いてある。
それが意味するのは……お金の問題。