男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
「ねぇ、リュウジ。おじいちゃんとおばあちゃんもOKしなきゃダメなんだって」
「喜んでくれるんじゃない?」
「うん、そうだよね」
「そういえば俺、検査の事も話してないし……そろそろ電話しなきゃな」
「だね。孫待ってるかもしれないからちゃんと話しとかなきゃね」
ちょっとだけ、未来が見えて私達は笑顔になっていた。
待っててね、私達の天使。
まずは自分の親に電話をする。
「こないだちょっと話したんだけどさ。うち顕微受精じゃないとダメなんだって」
検査をしたら一気に治療を進めなくてはいけない事。
まだ精子がいるって決まった訳でもない事。
その為にはとんでもない金額がかかるので断念して養子を考えてみた事。
今度は声が震える事なく言えた!
「二人なら、血が繋がってなくてもきっと大切にしてあげられると思う。応援するよ」
矢口家は……お父さんも、お母さんも賛成だった。
むしろ弟の大学代やら下宿代で不妊治療に協力してあげられない事を謝っていた。
そんなのしょうがない事なのに……。
よし、次はリュウジの親だ!!