男性不妊と宣告されて～不妊治療闘想記～

リュウジの運転する車で帰路に着く。


「可愛かったね」


「おかっぱ頭だったけどな」


確かにわんこ君の額はおかっぱ模様。それも愛嬌で可愛いと思える。


「どうする？早めに返事欲しいって言ってたけど……」


「飼いたいんでしょ？」


「リュウジもでしょ？」


私たちはその日のうちにメールをした。


夫婦二人の世帯で子供達が名付けたアニメの名前は恥ずかしいから名前を変えさせて欲しい、って事を条件に。


そして時々は子供達と一緒にお散歩に行きたいから……その時だけは前の名前でもいい？


そう遠慮がちに聞く野田さんにもちろん！と返事をした。


私達はあくまでも育ての親。


野田さん達は買いの親、かな？


どこかで産まれ、ペットショップ、野田家、を小さい身で渡り歩いてきたこの子を本当の子供のように可愛がろうと決めた。


そうしたら、きっと今抱えているモヤモヤなんて吹き飛んでいくはず。


4月上旬。


私たちに家族が増えた。


この子と一緒に生きていくんだ。