男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
という訳で、初日は博物館やら滝やらを見て宿に着いた。
そこもホントに素朴な民宿。
地元の山菜なんかを振舞ってもらい、地酒でまったりいい気分で。
明日面接なのにこんなのんびりしてて……いいのかな。
前の日から気合いを入れすぎても仕方ないけれど。
お水がとってもキレイな街。
そのせいか勧められたお酒は本当に美味しかった。
優しい民宿でのもてなしや、自然あふれる環境にこんな場所に住みたい……
と、ますます気持ちが固まる。
……まぁ、面接を頑張るのはリュウジなんだけど。
朝になって。
リュウジは持参してきたスーツに着替える。
私は待ってるだけだからいつもの普段着。
そして、若干のスーツフェチな私の顔がちょっとだけゆるむ。
昔からホスト系やビジュアル系の人が好きなのはかっちりした格好だからなのもあるのかも。
なんて。
そんなカッコ良くなったリュウジの横顔はさすがに緊張していた。
ただ祈るしかできないのがもどかしい。
でも、
こういう時、私達はいつも一緒に過ごしてる。
隣にいるだけで安心してもらえるなら励ますのみだ。
朝から始まった面接は思ったより長引き、1時間以上待たされた後、リュウジからの電話が鳴った。