男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
自分を変えるのは自分だけ。
気付いたのはいつだっけ?
小五のある日、市販のドリルの答え合わせは自分でやるよ?そう告げた。
もちろんサボる為でしかない。
でも、それは言えなかった。更に自立した自分を演じた。
「葵さんはしっかりしてるから」
言われる度、大人にならなきゃ!そう、思った。
甘える相手なんていない。ただ成熟した大人を目指さなきゃ……そうじゃなきゃ私の居場所はない。
親に勉強を習うのはイヤ。
もう嫌なんだ。
自ら塾に行きたいと言う、最近成績の落ち気味な娘に親は手を差しのべる。
葵さんが頑張るなら!
どこかで止められたら気付いた?
私が塾にいない事、大手の教室の先生は気付きもしない。
大きいお兄ちゃんばかりのゲームセンターに紛れて私は時間を過ごしていた。
私が塾で学んでいること、やる気なこと、親は疑いもしないんだ。
だからこうして一人で歩いて行く。
頼れないから。
甘えられないから。