男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
そうして出来た自分だけの時間。深夜の繁華街をひた歩く。
何もなくても一人の時間が好き。
夜遅くになればフラフラしてるお兄ちゃんが適当に家まで送ってくれる。
その日、声をかけてきたお兄ちゃんの車の後部座席には何かを吸引している彼女さんがいた。
お姉さんはテレクラのサクラをしているんだという。
そんな頑張る彼女を大切に守る彼。
「俺は運転があるからこーゆーの吸えないの」
そんな歪んだ愛情すら、羨ましかった。
私は愛されたいんだ。
自分とは違う価値観を押し付ける親よりも。
歪んだ私を否定するクラスメイトなんかよりも。
ただ、愛して、愛されたい。
私を隣で支えてくれる人さえいたら、生きられる気がしたんだ。