男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
「お母さん、話があるの」
さすがに勇気がいった。親だもん。受け入れてくれるはず……なのに不安が付きまとう。
「なぁに?大事な話って」
「昔の事とか聞いてもらいたい…」
電話の向こうで一瞬固まったのが分かった。
「それ聞いたらお母さん傷付く?だったら聞きたくないんだけど」
……え?
傷付くなら……聞かない?
保身かよっ!!
受け入れてくれるどころか……まさか聞く前から拒否されるとは。
私は何も言えず、その場で泣き崩れた。
すごく、すごくショックだった。
「お母さんは無理だからお父さんに話してみたら?」
勝手に電話を代わって逃げようとする母親。
「待ってよ。逃げるの?」
「ねぇ、答えてよ!!」
私の泣きながら叫んだ言葉は届かずに……いつの間にか電話口はお父さんに代わっていた。