男性不妊と宣告されて～不妊治療闘想記～

「お父さん、お母さんはっ！！」


「何で……どうして受け入れてくれないの？」


最後に言われた言葉が忘れられない。


うちでは子供は守られる存在じゃなかったんだ。


だってお母さんはこう言ったんだから。


「どうして傷つけるの？親を傷つけないようにって気を使ってくれないの？」


涙が……これ以上まだ出るのかと驚くくらい止まらない。


「お母さんはね、今更年期障害なんだよ。今まで以上に甘えてくるし、いろいろ不安で仕方がないみたいなんだ」


「だから、葵も今は我慢してくれないか？お父さんで良かったら聞くから……」


お母さんはお父さんの肩を持って、お父さんはお母さんの肩を持って……。


反抗期なんて一日もなかった弟はきっとこんな想い知らないだろう。


私の居場所はやっぱりここじゃない。


その日、リュウジが帰ると更に泣き続けた。


「俺は家族だから！」


黙って全部を聞いた後、そう言って抱きしめてくれるリュウジに誓った。


「私の家族はリュウジだけでいい」


「リュウジが居てくれたらそれでいい」


ずっと二人で生きて行こう。


たった一人の大切な人。


愛してるから。


絶対に離さないでね。