TнE ИeχΤ ΟF DеАтн
ブォーン!!!


唸りを上げながら過ぎ去る特急を見て

〈一体 どの位の時間金縛り状態だったんだ?〉

と 思った。

そんなに長い時間では無いのは 何となく分かる。

体が動かない時は 泣き声以外の音は失われていたのに
今は ホームに満ちる様々な音に混ざって
泣き声が聞こえるカンジだ。


「なぁ 亮介。 お前泣き声聞こえね?」

無駄だと思いつつ 一応 聞いてみた。

亮介は 俺の顔を見て

「何だよ?こんな所でンなモン聞こえる訳ないだろ~?
どした?イキナリへたり込むし
熱でもあんじゃね?」

そう言いながら 俺の額に手を当てた。

やっぱり、な…。


ホームに止まっては 走り去る電車を見ながら
もう一度 辺りを見回す。


俺と同じような目に遭ったヤツを探して…。


どうやって見分けるか?


そりゃあ 簡単だろ?


俺と全く 同じような動きをしているヤツを見付ければ良いのさ…。


例え違う理由で 行動がリンクしてたとしても

怪しいヤツは 俺だけじゃ無いって事で。

この 薄気味悪くて気分の悪い 泣き声を聞かされてるのが

どうか 俺だけじゃ有りませんように…。

赤信号を一人で渡るのは やっぱりシンドイからな。
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