ありがとう

日々


給食の時間。

私達の学校は週に数回、お弁当の日がある。

玲の母親は朝までずっと仕事。

玲のお弁当なんて作ってる暇はないみたい。


『美羽ー、玲ー!一緒に食おうぜ!』

向こうから廉の声。

『廉、いいって!』


廉はいつも私達を気遣ってくれてた。

その優しさ、今考えると本当にすごかったと思う。


でも、玲は人形のように何も言わない。

笑わない。ただ無表情。


それなのに、廉は気遣ってた。





そして下校時間。

玲の姿がない。一緒に帰ろうって言ったのに・・・。


『玲ー?』



____ドカッ、バコッ・・・。




静まり返った廊下からこんな音が聞こえた。

この音は何?何かを蹴ったりするような音・・・。

時々笑い声もする。






____!?




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