ありがとう


何なの・・・。



そこには、数人の先輩達がいた。

床にはボロボロになった玲が横たわっていた。

『や・・・めて。』


こんな小さな声で聞こえるわけがない。

もう、何がなんだかわからない。

ただただ身体が震えた。


『もう学校来るんじゃねーよ!』

『気持ちわるーい!』


そんなひどい言葉を軽々と叫んでいた。


『とっとと帰れ!』

そういうと先輩達は教室を後にした。


『れ、玲っ!』

私はすぐに玲に駆け寄った。


『あんた、いじめられてたの!?』


でも、玲は何も言わなかった。

ただただ、目に涙を浮かべていた。





玲。

あの時、玲はどんな気持ちで先輩達に立ち向かってたの?

どうして、何も話してくれなかったの?


・・・私が、友達失格だから?

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