ありがとう
『ただいまー』
玲に話を聞いた後、私はすぐに家に戻った。
『あっ、美羽帰ったのー?朝ごはんあるわよ。』
台所からはお母さんの声。
私とお母さんは仲が悪い方ではない。
お母さんはいつも花柄のエプロンを身につけ、髪はショート。
『お母さん、ちょっと仕事に行くから戸締りお願いね!』
そう言って、お母さんは小走りで外へ出て行った。
シンッとした居間に一人。
なぜだろう。なぜか心細くなってきた。
昔から気は強い方なのに。
玲は今、こんな状況なのかな。
いつもいつも心細いのかな。
と、そんな事を考えていた。
____プルルルルル・・・。
突然電話が鳴った。
こんな朝に一体誰だろう。と言っても、もうお昼か。
『はい、真野です。』
『もしもし。廉だけど。』
ん?廉?
なんでこんな時間に廉から電話が・・・?
『お前、玲に相談のってあげたんだってな。嬉しいって玲から電話があったぞ。』
玲が廉にそんな事を・・・?
良かった。私、玲の力になれたんだ!!