君の左手を


「あ、広瀬君。


 うん、今閉めるとこ」




「本っっ当にごめん!!」






彼は何度も何度も頭を下げた。





「だ、大丈夫だよ。誰も来なかったし」



「本当にごめん・・・」





少しの沈黙が流れた。




「・・じゃあ私鍵置いてくるね。ばいばい」



「うん。ごめんな」






そう言って、職員室に鍵を返しに行こうとした。







そのとき。











「あっ吉野!」



思わず勢いよく振り返った。




「?」




「一緒に帰ろ!」


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