君の左手を






「俺、本気だから。




まぁ、吉野が俺の事好きじゃないの分かってるし、だからどうってわけじゃないけど…




              

           ・・・覚えといて」





気がつけば私たちは私の家の前まで来ていた。







私の記憶では


彼は普段いつもふざけていて


いつもうるさくて


そして笑顔で。














だから





いつもよりも真剣な彼の瞳が










少しだけ、格好良く見えた。







・・・少しだけ。
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