チロル
――5年後――
また君と出会った季節が来た。
君に会ってもう、7年が過ぎた。
まだ忘れられなくて泣いていた。
雅みたぃに悲劇のヒロインになりたかった。
でもなれなかった。
その願いは一生、叶う事はないけど、諦められずにいた。
もう高校を卒業する日がきた。
いつか、寄り添える人が現る事を待っていた。
大学1年の夏―――
テニスサークルに入って、なんでも話せる夏(なつ)と出会った。
合宿で想いを伝えられて、付き合う事にした。
夏となら大丈夫。
そう思ったから。