まりぉchanの秘密。





「は~ぃ?」





不思議に思いながら扉を開けると、小さな箱を持っていた。







「やあ。これからさ、ちょっと出かけない?」






巳來お兄様はナンパでもするかのようにポーズを決めながら聞いてきた。






「今からぁ?」





そう、あたしは学校から帰って健伍にあんなこと言われて頭ん中ぐちゃぐちゃになってるし…今日はとにかく疲れてんだ…







あからさまに嫌な顔をすると苦笑された。









「いいだろ?久しぶりにぷらぷらしながら買い物でもしよう。な?」








自然とあたしは行く気になってしまった。服を一生懸命選んで、髪を巻いてみたりメイドにメイクを教えてもらったり…
別に巳來お兄様が好きなわけじゃないのに…お兄様を見るとなぜか緊張してしまって、気合が入る。あっ…別に他の子は気合い入れないとかじゃないんだけど…






「へぇ~…昔の柚芽みたいだな。可愛いよ?真莉乃。」








一瞬柚芽さんの昔を想像してちょっと顔が赤くなった。
だってきっと柚芽さんとってもかわいかったんだろうなって思ったらあたしもそれぐらい…いや、それにちょっと近いぐらい可愛いのかな?お兄様にそう映ってるのかなって思ったから。








「じゃぁ、今日はたくさん買い物して、たくさんおごってもらおっと!!」





「あっ!!ずりーぞ!!今月ピンチなんだからな!!!」とか言いながら、私たちは夕暮れの街に繰り出した。







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