まりぉchanの秘密。

何か引っかかるもの






あたしは未来を変えるために、戻ってきた。
とすると、過去でなにかあったはずなんだけど…






「いつ、どこで、どんなことが起こったから変えに来たのかわかんないじゃん!!!」





さっそく、大きな壁にぶつかっていた。
与えられた情報は一つ。『後悔』の言葉だけ。
それで、どうやって解決すればいいもんなんだか…
自分の心に問いかけてみるも、答えは出てこなかった。



「困ったなぁ…誰かに相談するわけにもいかないし…」



相談したところで変人と思われてしまう。
廊下で一人考え込んでいると…



「おい、何やってんだよ。早く行くぞ。」




遠くから、中森が呼んでいた。
今日は授業で学校近くの森へ行ってご飯の炊き方を教わったり植物状況について調べたりする日なのだ。




すっかり忘れてた。





「あ、今いっ……!!」




《ズキッッッ!!!》





急に体が固まったかのような錯覚に陥った。
実際は体に激痛が一瞬にして広がったのだ。




しばらくすると心臓が締め付けられるように感じた。




「痛っ……」




あたしは苦しさで顔を歪めた。
そのうち酷い頭痛と眩暈に襲われ、あたしの意識は朦朧としていた。




「だめ………」



立っている感覚もなくなってきて、廊下に膝から崩れるように倒れた。
なにがどこにあるのか、それさえも分からなくなり、






………あたしは意識を手放してしまった。







< 162 / 274 >

この作品をシェア

pagetop