ぽ ん ス ケ
「…え?」
阿呆なオスがわたしを持ち上げたまま阿呆面をした。
本当に阿呆なオスだ。
「そんなんぢゃぁカッコいい顔が台無しだぽんっ」
嫌味だぽん。
面と向かってわ言わないけどな。礼儀だ礼儀。
「な…人間のことば喋ってる」
はぁ?
「たぬきが人間のことば喋るわけないぽん?」
「喋ってんじゃねーか!!!!!」
「喋ってねーぽん!」
「会話になってんじゃねーか!」
「おいおい。お前さん医者に見て貰った方がいいぽん。幻聴が聞こえてるぽん。」
「俺が医者だょ!!いや、そうじゃなくて会話してる時点で幻聴じゃねーし!」
…わたしはキーとしか言ってないぽん?
というかキーとしか言えないぽん?
「人間とは違うぽん。人間と同じ内容を言ったってことばみたいにならずにキーとしかならないぽん?」
「いやもう喋ってるからお前ぇぇぇ!」
「そんなバカな…。常識でわかるだ」
「これは…もしかして俺の夢が叶うチャンスかもしれない…!!
いや、でも博士にみせた方がいいかもしれないな…。」
「おい、何ブツブツ言ってるぽん。
うわぁっ!」
わけのわからないオスは、わたしをぐいっと抱き直して、部屋を駆け出した!
そして…なんだ?うわっ変な機械のかごに乗っけられた!
ガシャシャシャ!!
うわぁあ!!すげぇスピードで進んでくぅぅ!!!
「うわぁあどこ行くぽん~!」
「博士ん所ぉお!人間のことばを喋るお前を見せるんだよ!」
風を切りながら、オスはニヤニヤしながら叫ぶ。
「だから人間のことばなんか喋ってないぽん!」
「喋ってんじゃねーかぁ!」
なんだか嬉しそうだ…
「ふんっお前の頭を博士に見てもらうんだな!」
「はーぃはい♪飛ばすぞ!」
「うわぁあ!!!」