ぽ ん ス ケ


「…え?」


阿呆なオスがわたしを持ち上げたまま阿呆面をした。

本当に阿呆なオスだ。


「そんなんぢゃぁカッコいい顔が台無しだぽんっ」

嫌味だぽん。
面と向かってわ言わないけどな。礼儀だ礼儀。

「な…人間のことば喋ってる」

はぁ?

「たぬきが人間のことば喋るわけないぽん?」


「喋ってんじゃねーか!!!!!」


「喋ってねーぽん!」


「会話になってんじゃねーか!」

「おいおい。お前さん医者に見て貰った方がいいぽん。幻聴が聞こえてるぽん。」

「俺が医者だょ!!いや、そうじゃなくて会話してる時点で幻聴じゃねーし!」


…わたしはキーとしか言ってないぽん?

というかキーとしか言えないぽん?


「人間とは違うぽん。人間と同じ内容を言ったってことばみたいにならずにキーとしかならないぽん?」


「いやもう喋ってるからお前ぇぇぇ!」

「そんなバカな…。常識でわかるだ」


「これは…もしかして俺の夢が叶うチャンスかもしれない…!!

いや、でも博士にみせた方がいいかもしれないな…。」

「おい、何ブツブツ言ってるぽん。

うわぁっ!」

わけのわからないオスは、わたしをぐいっと抱き直して、部屋を駆け出した!

そして…なんだ?うわっ変な機械のかごに乗っけられた!


ガシャシャシャ!!

うわぁあ!!すげぇスピードで進んでくぅぅ!!!

「うわぁあどこ行くぽん~!」

「博士ん所ぉお!人間のことばを喋るお前を見せるんだよ!」


風を切りながら、オスはニヤニヤしながら叫ぶ。

「だから人間のことばなんか喋ってないぽん!」

「喋ってんじゃねーかぁ!」

なんだか嬉しそうだ…


「ふんっお前の頭を博士に見てもらうんだな!」

「はーぃはい♪飛ばすぞ!」


「うわぁあ!!!」



< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop