[短]いのり


「陽ちゃん」

俺を呼ぶ声がする。

「陽ちゃん起きて」

「んっ――…」

「陽ちゃん、おはよ」

「さくら!!??」

慌ててその姿を探した。
でも違う。

君はどこにもいなくて、

俺の声だけが渇いた宙に舞った。

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