『アリガトウ』と言いたくて。

#02 凌央~ryo~

次の日。

私は昨日盗り損ねたモノを盗りに,

昨日のドラッグストアに来た。


中に入り,物色していると…


「また来たか」

「…何でいんの」

最悪。

そこには,昨日の男の姿が。

「お前さぁ,慣れてんだろ」

「悪い…!?
アンタだってやったことあんじゃないの!?」

「俺そんなことしねぇもん」

ほんとにムカつく。

何なのコイツ…!!

「てかアンタ誰よ!」

「俺は,大堀 凌央(オオホリ リョウ)。
17歳高校二年生」

「アタシのこと知ってんの?」

「…知らねぇ」

「じゃあ何でイキナリ絡んでくんの!?」

「イケナイコトだから」

「は??」

「万引きは,イケナイコトだから…
アンタにやってほしくねぇんだよ」

意味わかんね。

キモ…

「アンタ名前は?」

「教えない」

「『教えない』ちゃん??」

「…悠優…」

「『悠優』ね…。よろしく」

「よろしくって…私アンタと絡む気ないよ。」

「俺は絡む気マンマンですから」

私は無視して店内を回る。

一周…

二周…

三周…


「…ちょっと!なんでついてくんの!?」

凌央は,私にピッタリくっついて来た。

「今,俺が見放したら
悠優は万引きするから…」
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