『アリガトウ』と言いたくて。
#03 目的
それからと言うもの。
凌央は,毎日毎日やって来ては
私の万引きを阻止した。
ドコへ行ってもヤツが現るから
キリがない。
「凌央…質問してもいい??」
「おう,何でも答えてやる」
「何でジャマすんの?」
「悠優に万引きしてほしくないから」
「何でアタシなの?」
「…それは言えない」
「何でこんなことしてんの?」
「話すと長くなるから」
この頃から,私は凌央と仲良くなりたいと
思い始めていた。
凌央のことを,もっと知りたい
そう思った。
「長くなってもいいから教えて」
すると凌央は,私に教えてくれた。
こんなことをする,目的を。