この世の果て
「だけど、ルナ」

僕は少し恐い声を出した。
彼女に注意をする時は、この方法がよく効くからだ。

「1人で出歩くなっていっただろう?さらわれたらどうするんだ?野犬だってうろうろしてるし・・・。」

ルナは悲しそうな顔をする。

「ごめんね、ごめんねリュウ。」

瞳に涙をいっぱい溜めて・・・

「リュウに、みせたかっただけなの。くさがはえてきて、みんながんばってるって、リュウにみせたかったの・・・」


僕は、彼女の震える肩を抱き寄せた。


「ごめん。


もういいよ、笑って──」


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