この世の果て
家に帰ると、ルナが、座って僕を待っていた。

その腕には、白い子うさぎが抱かれていた。


「ひとりぼっちだったから、ひろってきたの。」


ルナは、道端の草を子うさぎにやっていた。子うさぎはそれを静かに食べている。


「おかあさんがいないみたいで、ひとりでふるえてたの。」


「だからって・・・」


おそらく、野犬か何かにやられたのかも知れない。あるいは、誰かに・・・

どちらにしても、それは仕方のないことだった。

だから、子うさぎを拾って帰る彼女の行動は、僕には理解できなかった。

弱ければ、死ぬ。

逃げるしか、生きる道はない。


それも仕方のない話。
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