この世の果て
信じてもらえないかもしれないが──

その頃の僕は、結構純粋でかわいらしい子供で、毎日友達と一緒に桃色カエルをつかまえて膨らましたり、涙草(さわっただけで涙が出てくるおそろしい草)なんかをむしって、家の庭にこっそり植えたりしていた。


大人からすると、とるに足りない下らない遊びかもしれないが、僕にはそれらが毎日の楽しみだった。


そして純粋な子供ながらに、夢だって持っていた。

他の友達みたいに、医者になりたいとか、大統領になりたいとか、そういった種類のものではなかったけれど、


僕には僕の、ささやかな夢があった。


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