この世の果て
僕は続ける。


「その森の一番奥に、ひときわ大きな・・・その葉は枯れて、枝が剥き出しになっているけど、赤い綺麗な実がなった木が、ある。」

「おいしい?」


「どうだろうね。毒入りかもしれないよ?」


「そうなの?」
ルナが不安な顔をする。


「さぁ・・・。」


僕は肩をすくめてみた。


「その実を食べたものは、どんな願いでも叶えてもらえるそうなんだ。世界の大統領になりたい、なんて朝飯前。お腹いっぱい食べることもできるし、銀色の女神みたいに美しくなることもできるんだ。」


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