この世の果て
教会には、色褪せたステンドグラス。壊された神像。そしてパイプ・オルガンが置いてあった。


多少スカスカした感じの音だったが、オルガンはまだ使えたので、ルナはたまにそれを触って遊んだりした。

時にはでたらめな歌を歌い、僕とうさぎに聞かせてくれる時も、あった。



街を出て、棲みかを探している時、この教会に住みたいと言ったのは、彼女の方だった。


「いつか」


彼女は言った。


「いつか、もっとみんながしあわせになったら、にちようびにはここにきて、うたうようになるとおもうよ?」


「その時には、自分がオルガンを弾きたい、そういうこと?」


ルナはうなずいた。



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