この世の果て
僕の夢。



それは、父と亡くなった母のように、大好きな人と暮らして、ずっとその子と一緒にいること。


女々しいかも知れないけれど、それが僕のたったひとつの夢だったんだ。




父にこの話をすると、(僕と父はとても仲が良かった)彼はいつも人懐っこい笑顔をして、こういった。

「大丈夫。」


「お前には銀色の女神さまがついているからね。きっと願いは叶うはずだよ。」

父はおとぎ話にでてくる、この女神が大好きで、ことあるごとに彼女を引き合いに出してきた。


きっと彼は昔からこんな感じで、若かった母は相当やきもきしたんじゃないかな?

そう思うくらいに。



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