この世の果て
廃工場では、いつものように広間で仲間たちがくつろいでいた。


一瞬で僕は、その中にケンがいないことが分かった。


「おい?どうした?血相変えて。」


「ケンは?」


僕の方を見ずに、チェスを打ち続けるやつら。ソファに寝転ぶやつ。
ナイフを無言で磨くやつ。

「奥の実験室じゃねぇの?」

「すげぇ、可愛い女連れてさ。」


「後で俺たちも行こうか?」


「お。」



黒のルークが、白いクイーンを捉えた。


「チェック。」




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