この世の果て
いつも笑顔と冗談を絶やさない、軍人のくせにコオロギ一匹殺せなかった、僕の父。


だけど、僕はそんな父が大好きだったし、この国にかかる戦争の可能性なんて、一粒のえんどう豆のようにわずかな大きさだったから、
僕は父の気が優しすぎることに何の不安も抱いてはいなかった。



だけど、暗い闇から生まれた悪魔のしわざか、

はたまた白いひげをたくわえた神様の気まぐれか・・・


小さな小さな豆つぶは、腐った水を吸い込んで、


徐々に大きく膨らみ、



そして、



ある日突然、はじけた。




BANG!


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