この世の果て
森の中は、しんと静まりかえっていた。


鳥の声も、風の音も、僕の足音さえも聞こえない。


まるで、時が止まったような・・・



この森のどこかに、ルナがいる。


どこに?



針葉樹の隙間から見上げた空は、いつしか夕焼けに染まっていた。


夕焼けというのは、どうしてこんなに人の心を悲しくさせるのか。


ここが悲しみの森だからなのか、

それとも、世界が全て夕焼けなのか・・・。






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